【税務コラム】令和8年度税制改正で「環境性能割」が廃止に!自動車税はどう変わる?
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令和7年12月に公表された令和8年度税制改正大綱において、長年「二重課税」との批判を受けてきた自動車税環境性能割の廃止が正式に決定しました。今回は、自動車に関わる税制が令和8年4月1日からどのように変わるのか、車の購入や買い替えを検討されている方、また事業で社用車をお持ちの法人様に向けて、ポイントを整理して解説いたします。
1. 「環境性能割」とは何だったのか
そもそも環境性能割は、令和元年(2019年)10月の消費税率引き上げに伴い、それまでの「自動車取得税」に代わって導入された地方税です。
自動車を取得した際に、その車の燃費性能等に応じて0%〜3%の税率で課税される仕組みで、環境負荷の小さい車ほど税率が低くなり、エコカーの普及を後押しする役割を担ってきました。しかし、車の購入時には別途消費税も課されることから、自動車業界やユーザーから「事実上の二重課税である」との批判が根強く存在していました。さらに、米国の追加関税による自動車産業への打撃や、物価高による消費の冷え込みといった経済情勢を背景に、ついに廃止の決断に至った形です。
自動車購入時の税金(改正前後の比較)
| 税金の種類 | 改正前(〜令和8年3月31日) | 改正後(令和8年4月1日〜) |
| 消費税 | 10% | 10%(変更なし) |
| 環境性能割 | 0〜3% | 廃止 |
| 自動車重量税 | 課税(エコカー減税あり) | 課税(基準厳格化のうえ延長) |
| 自動車税(種別割) | 課税 | 課税(名称が「自動車税」に変更) |
2. 令和8年4月1日から何が変わるのか
① 環境性能割の廃止
令和8年3月31日をもって、自動車税環境性能割および軽自動車税環境性能割は廃止されます。令和8年4月1日以降に取得(登録)する自動車から、環境性能割は課税されません。例えば、車両本体価格とオプションの合計が300万円程度のミニバンやSUVを購入する場合、これまで最高税率3%が適用されていたケースでは約9万円の負担軽減につながります。
② 「種別割」の名称変更
これまで毎年4月1日時点の所有者に課税されていた「自動車税種別割」は、改正後は単に「自動車税」という名称に戻ります。同様に「軽自動車税種別割」も「軽自動車税」へと名称変更されます。ただし、毎年支払う自動車税そのものは廃止されていません。報道やSNSでは「自動車税が廃止される」という誤解が広まりましたが、廃止されたのはあくまで購入時に1回だけ支払う環境性能割のみです。この点は混同しないようご注意ください。
③ エコカー減税は基準を厳しくして延長
自動車重量税のエコカー減税は、令和8年4月末までだった期限が令和10年4月末まで2年間延長されます。ただし、燃費基準が引き上げられるため、これまで減税対象だった車種でも対象外となるケースが出てくる見込みです。電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)等は引き続き、新車登録時および初回継続検査時に免税となります。
3. これから車を買う方の注意点
「登録日」が重要なポイント
環境性能割の課税の有無は、契約日や納車日ではなく、陸運局でナンバープレートが交付される「登録日」(軽自動車は届出日)で判定されます。3月末の駆け込み登録より、4月以降の登録の方が税負担は軽くなりますが、人気車種は納期が長い場合もありますので、ディーラーと納期スケジュールをよく確認しましょう。
下取り車の自動車税にもご注意を
毎年4月1日時点の所有者に1年分の自動車税が課されるため、下取りに出す旧車の名義変更が4月2日以降になると、ご自身に旧車1年分の納付書が届いてしまいます。下取りの場合は月割りで査定額に上乗せされるケースもありますが、原則は3月31日までに名義変更を済ませるのがスムーズです。
4. 今後の動向 — EV課税の本格化へ
今回の改正では、電気自動車・プラグインハイブリッド車について、令和10年(2028年)5月以降、車両重量に応じた自動車重量税の上乗せが予定されています。EVはバッテリーが重く道路への負荷が大きいこと、またガソリン車との税負担の公平性確保の観点から導入されるものです。さらに令和10年度からはEVに対し、車両重量に応じた自動車税(種別割)の導入も検討されています。加えて、ガソリン税の暫定税率廃止に伴う税収減を補う方策として、走行距離に応じて課税する「走行距離課税」の導入も議論されており、自動車税制は「取得・保有」段階から「利用(走行)」段階の課税へと、大きな転換期を迎えています。
まとめ:購入タイミングの見極めがポイント
今回の改正は、車の購入時の税負担を一定程度軽減する一方、毎年支払う自動車税は変わらず、将来的にはEVへの新たな負担も発生する見通しです。車の買い替えを検討されている方は、令和8年4月以降の登録を視野に入れることで税負担を抑えられる可能性があります。また、法人で社用車の入れ替えをご計画の事業者様にとっては、減価償却や経費計上のタイミングと合わせた総合的な検討が必要となります。「具体的にどのタイミングでの購入が有利か」「社用車の経費処理について相談したい」など、自動車関連の税務でご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。お客様の状況に応じた最適なアドバイスをさせていただきます。
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