相続税とは?誰が支払う税金なのかをわかりやすく解説【相続税の基本 第1回】
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今回から「相続税」を5カテゴリに分け、テーマにそった特集コラムをお届けします。「相続なんてまだ先の話」と思われるかもしれませんが、相続は誰にでも必ず訪れるもの。基本を知っておくだけで、いざというときの安心感がまったく違います。第1回は、そもそも相続税とはどんな税金で、誰が支払うのかという基礎からご説明します。
1. 相続税の概要 ~亡くなった方の財産にかかる税金~
相続税とは、亡くなった方(税法上は「被相続人」といいます)が遺した財産を、相続や遺言によって受け継いだときにかかる税金です。受け継いだ財産の金額が大きいほど税率が高くなる「累進課税」のしくみがとられており、財産の多い方ほど負担が重くなります。

【図1】相続税のしくみ
課税の対象になるのは、預貯金や不動産、株式といったプラスの財産だけではありません。生命保険金や死亡退職金は、厳密には相続で受け継ぐ財産ではないものの、実質的に同じ性格を持つため「みなし相続財産」として課税対象になります(それぞれ「500万円×法定相続人の数」までは非課税です)。一方で、お墓や仏壇などは非課税とされ、借入金や葬式費用はマイナスの財産として遺産から差し引くことができます。

【表1】相続税がかかる財産・かからない財産
2. 誰に課税されるか ~納めるのは「財産を受け取った人」~
相続税を納めるのは、亡くなった方ではなく、財産を受け取った人です。具体的には、配偶者や子どもなどの相続人はもちろん、遺言によって財産を受け取った人(受遺者)も対象になります。相続人でない孫や、お世話になった知人が遺言で財産をもらった場合も、相続税の対象になるのです。
税額は、受け取った財産の割合に応じて各人が負担します。「長男がまとめて払う」といった慣習的な取り決めをするご家庭もありますが、税務上はあくまで一人ひとりが自分の分を納める義務を負っている、という点を押さえておきましょう。なお、家庭裁判所で相続放棄をした人は、原則として相続税はかかりません。ただし、相続放棄をしても生命保険金を受け取った場合には課税対象となることがあるため、注意が必要です。
3. 申告が必要な人 ~対象は亡くなった方の約1割~
相続が発生したからといって、すべてのご家庭に相続税がかかるわけではありません。相続税には「基礎控除」という非課税枠があり、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、税金はかからず申告も原則不要です。国税庁の統計では、相続税の課税対象になるのは亡くなった方のおよそ1割。裏を返せば、約9割のご家庭では相続税の申告自体が不要ということになります。
ただし、ここでひとつ大切な注意点があります。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった「税額を大きく減らせる制度」は、申告をすることが適用の条件です。特例を使った結果、納める税金がゼロになる場合でも、申告書の提出は必要になります。「税金がゼロだから何もしなくてよい」とは限らない点にご注意ください。
4. まとめ
相続税は「亡くなった方の財産を受け取った人」が納める税金で、対象になるのは遺産が基礎控除を超えるご家庭です。まずはご自身の場合に申告が必要かどうかを知ることが、相続対策の第一歩になります。
「うちは相続税がかかるのだろうか?」「生命保険はどう扱われるの?」といった疑問をお持ちの方は、どうぞお気軽に西川会計事務所までご相談ください。次回は、相続税がいくらからかかるのか、基礎控除の計算方法を具体例つきで解説します。

